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新井 陽介*; 黒田 健太*; 野本 拓也*; 黒川 輝風*; Shin, S.*; 久保田 正人; 芳賀 芳範; 鈴木 博之*; 岩佐 和晃*; 有田 亮太郎*; et al.
no journal, ,
CeX (X=P, As, Sb, Bi)は温度・磁場・圧力といった外部パラメータによって多彩かつ複雑な磁気構造を形成する。この現象の発現機構としてCe4fとSb5pの「p-f混成」や「磁気ポーラロン」が議論されているものの、未だ解決されていない。本研究ではレーザー角度分解光電子分光によりCeXの電子構造の高分解能測定を行った。その結果、磁気秩序相で多体相互作用に伴う電子構造の再構成を観測した。
徳永 陽; 青木 大*; Braithwaite, D.*; Knebel, G.*; Brison, J.-P.*; Pourret, A.*; Lapertot, G.*; Niu, Q.*; Valiska, M.*; Flouquet, J.*; et al.
no journal, ,
ウラン系強磁性超伝導体の一つであるURhGeでは、結晶のb軸方向に一軸的な圧力(歪み)を印加することで、超伝導転移温度が最大2.5倍上昇する。さらに一軸的を印加することでIsing型の強い磁気異方性が急激に弱まることも見つかっている。本研究ではこのURhGeの持つユニークな特性を利用して、超伝導の引力機構の解明を目指している。講演ではCEA-Grenoble研究所との共同実験として実施したゼロ磁場下での一軸圧NMR実験の結果を報告する。同研究所の圧力システムは、Heガス圧の調整により希釈冷凍機温度で一軸圧の荷重を連続的に制御できるという特徴を有しており、本研究ではこのシステムをNMR用に改造し実験を行なった。実験にはURhGeの純良単結晶を用い、一軸圧の印加に伴うNMRスペクトル及び緩和時間の変化を測定することで、超伝導の舞台となる電子状態への一軸圧効果を微視的観点から探った。
山口 康宏; 保坂 淳; 竹内 幸子*; 瀧澤 誠*
no journal, ,
近年LHCb実験でペンタクォークと思われる状態が相次いで報告されている。この講演では2020年に新たにその存在が示唆された状態に対し、長距離力・擬スカラーメソン交換と、コンパクト5クォーク状態の結合から導かれた近距離力を相互作用としたヘビーメソン-ヘビーバリオン系の解析を行う。エネルギーと崩壊幅を求め、そこでの相互作用の役割を議論する。
原田 寛之; Saha, P. K.; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 渕 葵*; 柴田 崇統*; 金正 倫計
no journal, ,
大強度陽子加速器では、線形加速器で加速された負水素イオンの2つの電子を円形加速器の入射点に設置された荷電変換用炭素膜にて剥ぎ取り、陽子へと変換しながら多周回にわたり入射することで、大強度陽子ビームを形成している。この入射手法は、大強度の陽子ビームを生成できる反面、炭素膜に大量のビームを通過させる衝突型の方式であり、その膜への熱付加などによる膜の短寿命化、膜で散乱された陽子が周辺機器に衝突することによる機器の高放射化が、大強度ゆえに世界的な課題となっている。そこでJ-PARCでは、さらなる大強度出力に向けて、炭素膜に代わる非衝突型の「レーザー荷電変換入射」の方式を考案し、その原理実証実験に実施すべく、開発を進めている。本発表では、レーザー荷電変換入射の概要を紹介し、開発と実験準備の現状に加え、実験結果に関しても初めて報告する。
大西 弘明; 森 道康; 奥谷 顕*; 木村 尚次郎*; 萩原 政幸*
no journal, ,
擬一次元イジング型反強磁性体BaCoVOの横磁場中の磁気励起スペクトルをDMRGで解析した。磁場を[110]方向にかけた場合は飽和磁場近傍まで反強磁性秩序が保たれるのに対して、[100]にかけた場合は反強磁性秩序が速やかに抑制されて磁場誘起相転移が生じることが知られている。そこでのESRや磁化等の測定、および計算との比較について、萩原氏が講演予定である。その連続講演として、数値計算と理論的側面の詳細を報告する。
角田 一樹; 桜庭 裕弥*; 増田 啓介*; 河野 嵩*; 鹿子木 将明*; 後藤 一希*; Zhou, W.*; 宮本 幸治*; 三浦 良雄*; 奥田 太一*; et al.
no journal, ,
異常ネルンスト効果は強磁性体に熱流を流した際に、温度勾配と磁化の外積方向に電場が生じる現象である。これまで、異常ネルンスト効果による熱電能は磁化の大きさに比例すると考えられてきたが、近年、反強磁性体を含むいくつかの磁性材料でこの経験則が破綻していることが明らかになった。特に強磁性ホイスラー合金CoMnGaの室温における熱電能は約6.0V/Kに達しており、Feなどの典型的な強磁性体の約10倍の大きさに匹敵する。このような巨大異常ネルンスト効果には、フェルミ準位近傍のトポロジカルに非自明な電子構造が重要な役割を果たしていると考えられている。本研究では、異常ネルンスト効果による熱電能と電子構造の対応関係を明らかにするため、組成比を緻密に制御したCoMnGa薄膜に対してスピン・角度分解光電子分光,熱輸送測定,第一原理計算を行った。その結果、フェルミ準位近傍にスピン偏極した複数のワイルコーンが存在していることが実験的に明らかとなった。第一原理計算との比較により、これらのワイルコーンが波数空間上で巨大な仮想磁場(ベリー曲率)を生み出す源となっていることを突き止め、電子構造と熱電能の対応関係を明らかにした。
川崎 郁斗; 小畠 雅明; 藤森 伸一; 竹田 幸治; 山上 浩志; 辺土 正人*; 仲間 隆男*; 大貫 惇睦*
no journal, ,
EuNiPは2価と3価の中間価数状態を示し、極低温領域で重い電子状態を形成することが報告されている。本講演ではEuNiPに対して実施した角度分解光電子分光測定の結果について紹介する。バンド計算との比較を行い、この系の電子状態や重い電子状態の起源について議論する。
社本 真一; 池内 和彦*; 梶本 亮一; 山内 宏樹; Balakrishnan, G.*; Chang, L.-J.*
no journal, ,
ハイパーカゴメ格子MnRhSi単結晶を用いた中性子非弾性散乱で、共存する異なる短距離と長距離の磁気秩序を観測したので報告する。
西尾 勝久; Vermeulen, M. J.*; 廣瀬 健太郎; Kean, K. R.*; 牧井 宏之; Orlandi, R.; 塚田 和明; Tsekhanovich, I.*; Andreyev, A. N.; 石崎 翔馬*; et al.
no journal, ,
O+Nの多核子移行反応により23核種の核分裂片質量数分布を取得し、得られた結果を考察した。実験は、原子力機構タンデム加速器(東海)で得られるOビームをNp薄膜標的に照射して行った。多核子移行反応で生成される散乱粒子をシリコンE-E検出器で検出し、イベントごとに核種を同定し、複合核を識別した。この核分裂によって放出される2つの核分裂片を多芯線比例計数管によって検出し、運動学的に核分裂片の質量数を決定した。実験データをランジュバン模型による計算結果と比較した。計算では、(1)反応後の励起エネルギーがすべて複合核に付与されると近似した。また(2)マルチチャンス核分裂、すなわち中性子を放出した後で核分裂が起こる現象を取り入れた。計算結果は、核種と励起エネルギーに対する質量数分布の系統的な変化をよく再現した。一方、系の角運動量が20を超える条件だと実験データを説明できなかった。移行する陽子の数と中性子の数を変えることで、異なる反応から同じ複合核を生成することができる。一方、系の角運動量が20を超える条件だと実験データを説明できなかった。移行する陽子の数と中性子の数を変えることで、異なる反応から同じ複合核を生成することができる。これまでに行った反応(O+Th, O+U, O+Np)の結果を比べたところ、核分裂片の質量数分布は、多核子移行チャンネルによらずほぼ等しくなることがわかった。
宮下 湖南*; 奥津 賢一*; 木野 康志*; 中島 良太*; 安田 和弘*; 山下 琢磨*; 岡田 信二*; 佐藤 元泰*; 岡 壽崇; 河村 成肇*; et al.
no journal, ,
ミュオン触媒核融合後に放出される再生ミュオンの運動エネルギー分布測定を行うと、核反応の瞬間のdd (d: 重水素、: ミュオン)の波動関数に関する現象を観察することができる。本研究では、バックグラウンドの原因とその低減方法、シミュレーションコードを用いた輸送する再生ミュオンの軌道などについて議論する。
中島 良太*; 奥津 賢一*; 木野 康志*; 宮下 湖南*; 安田 和弘*; 山下 琢磨*; 岡田 信二*; 佐藤 元泰*; 岡 壽崇; 河村 成肇*; et al.
no journal, ,
ミュオン触媒核反応後に放出される再生ミュオンの運動エネルギー分布測定のための実験系を開発している。運動エネルギー分布測定のためには、再生ミュオンを固体水素ターゲットから離れたところまで輸送し、Ti薄膜に衝突させる必要がある。本発表では、電場を用いたミュオン輸送について、荷電粒子軌跡計算ソフトウェアSIMIONと粒子輸送計算コードPHITSで検討した。
明午 伸一郎
no journal, ,
J-PARCの大強度陽子ビーム輸送施設(3NBT)は、3GeVシンクロトロン加速器から出射した陽子ビームを物質・生命科学実験施設(MLF)に設置された中性子源施設およびミューオン施設に輸送し、二次ビームとなる中性子およびミューオンを利用者に供給している。日本物理学会において、3NBTで開発された大強度ビーム輸送に対応した機器の開発、および非線形ビーム光学に基づくビーム平坦化技術を紹介する。
牧井 宏之; 西尾 勝久; 廣瀬 健太郎; Orlandi, R.; Leguillon, R.*; 小川 達彦; Soldner, T.*; Hambsch, F.-J.*; Frost, R. J. W.*; Tsekhanovich, I.*; et al.
no journal, ,
仏国ラウエ・ランジュバン研究所にある高中性子束炉からの大強度中性子ビームを用いてU熱中性子誘起核分裂に伴い発生する線をおおよそ20MeVまでのエネルギー領域で測定した。得られた線スペクトルにはいくつかの局所的な構造が観測された。これらの構造の起源について統計模型計算による考察を行ったので、報告する。
樹神 克明; 本田 孝志*; 山内 宏樹; 社本 真一*; 池田 一貴*; 大友 季哉*
no journal, ,
反強磁性転移温度上下の広い温度領域で中性子磁気散漫散乱が観測される金属磁性体MnRhSiに対し、粉末中性子散乱実験を行い、得られた強度データから磁気対相関関数(磁気PDF)を求めた。転移温度以上の磁気PDFは最近接Mn距離に対応する位置に負の対相関ピークを示す。このふるまいは転移温度以下の長距離秩序相の磁気構造では説明できないものであり、長距離秩序相とは異なり結晶の対称性を破る磁気構造で再現できることがわかった。
渕 葵*; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 原田 寛之; Saha, P. K.; 柴田 崇統*; 金正 倫計
no journal, ,
大強度陽子加速器では、線形加速器で加速された負水素イオンビームを陽子へと荷電変換しながら入射することで大強度ビームを生成している。この入射手法は、大強度の陽子ビームを生成できる反面、炭素膜に大量のビームを通過させる衝突型の方式であり、その膜への熱付加などによる膜の短寿命化、膜で散乱された陽子が周辺機器に衝突することによる機器の高放射化が、大強度ゆえに世界的な課題となっている。そこでJ-PARCでは、さらなる大強度出力に向けて、炭素膜に代わる非衝突型の「レーザー荷電変換入射」の方式を考案し、その原理実証実験に実施すべく、開発を進めている。本研究では、レーザー開発,像転送共振器の開発を行い、J-PARCにおいてレーザー荷電変換実験を開始した。その実験の結果、0.57%の荷電変換を確認でき、目標99%に向けた大きな一歩となった。本発表では、開発したレーザーシステムや光学系を説明し、レーザー荷電変換実験の最初の結果を報告する。
柴田 崇統*; 原田 寛之; Saha, P. K.; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 渕 葵*; 金正 倫計
no journal, ,
J-PARCでは、陽子ビームのさらなる大強度化に向け、現在の炭素膜に代わり非破壊で陽子に変換するための、レーザー荷電変換試験を計画している。レーザー荷電変換過程で、中性水素を励起したを経由するシナリオを考えている。その実験のためには、のエネルギー準位とその励起効率を把握する必要がある。本研究では、励起から放出される光を分光し検出する分光測定装置を開発している。本発表では、レーザー荷電変換で重要な分光測定装置の開発状況を報告する。
地村 幹; 原田 寛之; 守屋 克洋; 岡部 晃大; 金正 倫計
no journal, ,
加速器ビームの大強度化は、ビームの空間電荷効果に起源を持つビーム損失も増加させ、機器の放射化を引き起こすため、保守の観点から強度を制限せざるを得なくなる。多くの場合にはビーム損失機構は共鳴現象によって理解される一方、空間電荷場が非常に強い加速初期領域では、その非線形性に起因する短距離で急激なエミッタンス増大が引き起こされる。このエミッタンス増大はその地点の放射化への影響は小さいが、それ以降のビーム損失を増加させる原因となり、大強度化を阻害する根本的な要因となる。本研究は、このエミッタンス増大を抑制する新たな手法として、非線形な場である八極磁場を印加することで空間電荷場の非線形項を補償する手法を提案し、シミュレーションコードIMPACTを用いて、大強度陽子線形加速器J-PARCリニアックをモデルとしたビームシミュレーションを実行した。その結果、八極磁場を印加することでビーム分布の外核部における広がりが抑制されていることが確認でき、ビーム損失を計算上抑制できた。本発表では、八極磁場を用いた空間電荷補償の結果を報告し、実験計画についても言及する。
井戸村 泰宏; Obrejan, K.*; 朝比 祐一; 本多 充*
no journal, ,
大域的full-fジャイロ運動論コードGT5Dを用いてイオン温度勾配駆動(ITG)乱流におけるトレーサ不純物の輸送機構を調べ、ITG乱流との相互作用により新古典粒子輸送が大きく増大することを明らかにした。ITG乱流によってバルクプラズマの乱流粒子輸送が駆動され径電場が成長する。これに伴うEB流の圧縮効果により上下非対称な密度揺動が形成され、これと磁気ドリフトの結合により新古典輸送が増大する。この効果は温度には働かず、粒子輸送のみを選択的に増大させる。
楊井 京輔; 飯沼 裕美*; 大谷 将士*; 近藤 恭弘; 平野 耕一郎; 宮尾 智章*; 守屋 克洋
no journal, ,
現在のJ-PARCリニアックは、初段の高周波四重極リニアック(RFQ)出射ビームと比較して2段目のドリフトチューブリニアック(DTL)出射ビームのエミッタンスが2030%増加しており、今後の安定運転やさらなる大電流化に向けてビーム損失による残留放射線の増加等が懸念されている。エミッタンス増加の原因として、DTL入射ビームの不整合が考えられており、解決にはRFQ-DTL間の全長約3mの中エネルギービーム輸送系MEBT1におけるビームの諸パラメータを正確に把握する必要がある。MEBT1におけるビームの光学計算にはQ-Scan法で測定したRFQ出射ビームのエミッタンスとTwissパラメータを用いているが、この測定の系統誤差が現状では定量的に評価されていない。このため、予備用RFQ試験設備であるRFQテストスタンドを用い、実機と同様にQ-Scan法により測定したエミッタンス及びTwissパラメータの測定結果を、2重スリット型エミッタンスモニタによる測定の結果と比較することで、系統誤差の評価を行う。現状測定したビーム幅とシミュレーションに最大23mmの誤差があり、RFQのシミュレーションを見直す必要がある。また、MEBT1のビーム位置モニタ(BPM)で得られるビーム重心位置の測定精度にも疑念があり、現在のDTL入射ビーム軌道の制御にも最適化の余地がある。このため、MEBT1の重心位置情報の正確性確認のため、ビームベーストアライメント(BBA)によるBPMの中心確認と、BPM本体の健全性確認を行った。Q電磁石の磁場中心とBPMの測定中心に1mm程度の差異があり、この原因を調査中である。本発表ではこれらのビーム測定の結果を示す。
田島 美典*; 高峰 愛子*; 飯村 秀紀; 和田 道治*; Schuessler, H. A.*; 上野 秀樹*
no journal, ,
不安定原子核(RI)ビームに対するコリニアーレーザー分光は、原子準位の同位体間でのシフトや超微細構造分裂を測定することにより、基底状態や長寿命励起状態にある原子核の荷電半径,電磁気モーメントなどを決定することができる。しかしながら、高融点元素などについてはRIビームを生成することが困難であることから、これまでこうした元素の不安定同位体のコリニアーレーザー分光は行われてこなかった。一方、理研RIBFで建設中のSLOWRI施設では、ほぼ全ての元素のRIビームが供給可能となる。そこで、我々はSLOWRI施設でコリニアーレーザー分光を行う開発を進めている。既にBaの安定同位体で同位体シフトや超微細構造が精度よく測定できることを確認した。RIでは安定同位体に比べてイオンビームの強度が極端に小さくなるため、現在、RIの測定に向けてイオン・フォトン同時計数などによる測定感度の向上に取り組んでいる。